
まず初めに、そういったようなことをご説明しておいて、本題に入りたいと存じます。 午前中は全員の方がお集まりいただいていまして、少しは普遍性のあるお話をしなければいけないと思いますので、我々が取り扱う音楽は、いわゆる日本で西洋音楽と称している音楽ですけれども、その音楽の歴史の中で、こういったアートマネージメントのシステムがどういうふうにして生まれてきたのかということを簡単にお話をしてみたいと思います。 西洋音楽というのはヨーロッパで起きた音楽でして、簡単に言えばドレミファソラシドの体系の音楽ですよね。だから、ドレミファ音楽と言っていいと思うんですが、世界じゅうにはいろいろな体系の音楽があります。民族があれば音楽というのは必ず存在するわけで、日本には日本の音楽がある。インドにはインドの音楽、南米、アフリカと、それぞれいろんな種類の音楽があります。ですけれども、西洋のドレミファ音楽というのは、大体この300年ぐらいの間に世界を征服してしまったと言っていいと思います。世界各国の学校教育にもとり入れられ、いわゆるクラシック音楽のコンサートというのは大体この音楽に属しているわけです。 この音楽は、そもそもはヨーロッパのローマカトリック、ローマ正教というんですか、そこの教会の中で生まれてきたんですね。ですから、言い方をかえますと、これはキリスト教音楽という言い方もします。その一番大もとになったのは何かというと、これは紀元6世紀ごろに教会で行なわれていたグレゴリオ聖歌というのが西洋音楽の起源になったというふうに言われています。 これはどういうのかといいますと、教会では神に祈りをささげるわけですが、いわゆる神父さんが典礼の文句を読み上げるわけですよね。そうすると、読み上げているうちにだれでも自然に節がついてくる。これは仏教でいえばお経と同じでして、お経でも、やはりみんな節がありますよね。あれは、ただ朗読していてもいいはずなんだけれども、大体自然に節がついてしまう。流派によって、その節が違ってくるというようなことも起きてくるわけですけれども、それはヨーロッパの教会でも同じでして、節がついてきて、つまり神父さんたちが朗読というよりは朗唱をしていたわけです。それを紀元6世紀のころにグレゴリオ1世という人がいまして、これはローマ法王の1人ですけれども、この人が組織的に分類をしようと考え、各地で行われていた朗唱を集め調査し、それを8つのパターンに分けたんです。これを旋法という言い方、いわば音階みたいなものですが、8つの旋法に分類いたしまして、組織的に見直しをしたわけです。つまり、それが西洋音楽の起こり
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